お地蔵さんが「子供を守る仏様」とされる理由(地蔵盆を前に)
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今年のお盆はずっと雨でしたね…。
ただ、近畿地方には、このあと「地蔵盆」がやってきます。
地蔵盆とは、その地域で大切にお守りされている
お地蔵様に様々なお供えをし、
子供たちの健やかな成長を祈願するというものです。
8月23日から8月24日にかけて行うものとされ、
通常のお盆とは別に行います。
地蔵盆では、子供たちは、お菓子をもらえるので、
とっても、にぎわいます
(今年はコロナ禍なので厳しいでしょうが…。)
この地蔵盆という風習は、主に近畿地方にしかありません。
私は、東京出身ですが、東京にも地蔵盆という風習はありませんでした。
近畿地方の人は、地蔵盆が全国的に存在すると思っているようで、
この話をすると、非常に驚かれます…。
子供たちの健やかな成長を見守ってくださるお地蔵様。
お地蔵様の正式名称は、「地蔵菩薩」(じぞうぼさつ)といいます。
「菩薩」(ぼさつ)とは、仏の最高位である「如来」(にょらい)に
なるための修行をしている者を指します。
今も昔も、極楽浄土(仏様の世界。いわゆる天国みたいなもの)
に行けない人(罪を犯した人など)は、地獄に落ちるとされています。
この「地蔵菩薩」は、
地獄に落ちた人々を救うという役割を担っているわけです。
人は、死ぬと「三途の川(さんずのかわ)」という大きな川を渡って、
極楽浄土に行くと考えられています。
そして三途の川のそばには、
賽の河原(さいのかわら)
と呼ばれる河原があります。
この賽の河原では、たくさんの子供たちが、
河原にある石を積み上げて塔をつくろうとしています。
しかし、もうすぐ完成するというところで、
どこからともなく、鬼がやってきて
完成間近の塔を壊してしまいます。
塔を壊されてしまった子供たちは、
また一から塔を積み上げなくてはならないのです…。
そして、ようやくまた塔が完成しそうになったら、
また鬼がやってきて、
完成間近の塔を壊してしまうのです…。
賽の河原にいる子供たちは、
ずっとこの作業を繰り返さなくてはなりません…。
彼・彼女たちは、三途の川を渡って極楽浄土に行くことが出来ないのです。
何故か?
彼・彼女たちは、「極めて重い罪」を犯したからです…。
どんな罪を犯したのか?
それは、ずばり
↓
↓
↓
「親より先に死んで、親をものすごく悲しませた罪」です。
子供に先に死なれた親は、
一生その悲しみを背負っていかなくてはなりません。
親をそんな目に遭わせるのは、超親不孝!!
ということで、親より先に死んだ子供たちは、
極楽浄土に行けないとされているのです。
生前にお寺や仏塔を建てたりする行為は、
極楽浄土に行くための善い行いとされていました。
でも、早くに死んでしまった子供たちには、そんな財力もありません。
なので、極楽浄土にいけない子供たちは、
賽の河原で、石を使って何とか塔をつくろうとするのです。
しかし、塔が完成する間近になると、
また鬼がやってきて塔を破壊してしまう…。
この繰り返し…。
子供たちは、いつまで経っても塔を完成させることが出来ないのです…。
別に好きで、親より先に死んだわけじゃない。
それを親不孝者だとか罪人だとか言うのはいかがなものか!!
理不尽すぎる!!子供たちが可哀そうすぎる!!
って思いませんか??
昔の人もそう思ったようです。
なので、もちろん、救済措置があります。
それが、地蔵菩薩なのです。
地蔵菩薩は、賽の河原で鬼にいじめられている子供たちを
いろいろと助けてくれます。
鬼から子供たちをかくまったりしてくれるそうですよ。
そうした地蔵菩薩の行いから、
地蔵菩薩は、広く「子供たちの健やかな成長をお守りくださる存在」として
大切におまつりされるようになっていったのでした。
今でもある水子供養(みずこくよう)。
出産前に亡くなった子供(つまり親より先に亡くなってしまった子供)
の冥福を祈るものですが、
この供養でも地蔵菩薩が深くかかわります。
水子供養で地蔵菩薩をおまつりするのも、
もともとは、「賽の河原で鬼にいじめられないように
わが子を、お守りください」という意味があります。
先に死んでしまって、
親をかなり悲しませた「親不孝者」かもしれないけれど…、
やはり子供は愛しい。
死んだ後の世界でもなんとか幸せでいてほしい
という親の深い愛情が感じられる話ですね。
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