受験で身に着けるべき力とは?
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季節は、すっかり春になりましたね。
お子さんの高校受験や、大学受験のために塾選びを行っている親御さんも、
多いんじゃないかと思います。
みなさん、お子さんをどんな塾に入れようと思っていますか?
東大、京大、阪大、早慶大に多数合格実績のある名門塾??
ちょっと待ってください。
いわゆる名門塾に入れようとお考えの親御さん、
まず、この本を読んでからにしましょう!!
この本とは、
「名門塾は、あなたの子供をダメにする!」です。
著者は、精神科医の和田秀樹先生。
灘高校卒業、東大医学部卒業。
老年精神医学の臨床医でありながらも、
数々の受験参考書を出版されています。
自ら、緑鎧受験指導ゼミナールという、
通信教育の塾を経営されており、
そこからたくさんの東大、京大合格者を輩出しています。
和田先生の主張は、明快です。
「受験は、要領!!」
「根性と努力で受験を乗り切ろうとしてはいけない!!
根性と努力・・・ 日本人が大好きな言葉ですよね・・・。
根性と努力が全く不要なものとは言いませんが、
「努力をすれば報われる」という思い込みで、
ひたすら、やみくもに努力をする人が多い。
いくら努力をしても、
間違った方向でやっていたら、成果は出ません。
ゴルフで、間違ったフォームで、1000回スイングをしても、
ボールは、前には飛んでいかないのです・・・。
ボールを前に飛ばすには、
まず、正しいフォームを学ばなくてはなりません。 それと同じです。
成果が要求されるスポーツ界では当たり前の発想ですが、
教育界、特に受験界では、
いまだに「根性と努力」が幅を利かせていると
和田先生は、警鐘を鳴らします。
特に名門塾を呼ばれる塾は、「根性と努力」の傾向が強く、
塾生にこれでもか~~というぐらい大量の宿題を出し、
「根性と努力」で受験に向き合わせようとしているとのこと。
もちろん、そこでついていけて、成績上位の子は、
「根性と努力で」大学に合格できますが、
ついていけなかった子は、「俺ってバカなんだ…」と
自己肯定感を下げてしまうことにもなりかねません・・・。
・「根性と努力」で全方位型(まんべんなく)の勉強をして
身に着いた学力をもとに、志望大学を決めるのではなく、
早くに志望大学を決め、当初から志望大学の入試傾向にあわせた
対策に特化し、志望大学の合格最低点を取れるように勉強計画を練ることで、
効率よく、受験を乗り切ることができるのだ。
・子供たち一人ひとりの志望校に合わせて、それぞれに応じた課題を出す塾は無い。
なので、 塾任せにしてはいけない!!
・中学受験では親が、大学受験では本人が、志望校の過去問を分析して、
傾向と対策を練り、志望校に対応した勉強計画を立てることが必要である!!
この本で、和田先生は、そう主張されています。
これに対しては、
「根性と努力」だろうと、それで大学に合格できたら、いいじゃないか。
「根性と努力」は素晴らしい・・・。
「根性と努力」で受験に向き合わせようとすることの何が悪いのか?
という声が聞こえてきそうです・・・。
しかし、和田先生は、
「根性と努力」で大学受験を乗り切ってしまうと、
大学受験というイベントを通して、
身に着けることが可能なノウハウ学力や勉強の仕方が
身につかなくなってしまうといいます。
ノウハウ学力とは、(入試問題を)分析する力、計画を立てる力、
目標を設定する力、試行錯誤して修正する力といった、
社会で必要とされる力のことです。
ノウハウ学力を身につけないまま、
「根性と努力」のみで、社会人になってしまうと、
行きづまった時に、自分のやり方が間違っていると気づけず、
「根性と努力」で乗り切ろうとしてしまう・・・。
そして、世の中、「根性と努力」だけで乗り切ることには限界があるから、
最悪の場合、メンタルを病んでしまうことにもなりかねない・・・。
受験勉強を通じて、ノウハウ学力や勉強の仕方が身についていたら、
行き詰った時にも、根性ではない有効な打開策を
導き出すことが出来る・・・。
和田先生自身、こうしたノウハウ学力や勉強の仕方、
テクニックを身に着けて、受験を乗り切ったからこそ、
今の自分があると言います。
和田先生は、本業は精神科医ですが、様々な分野に造詣が深く、
経済などの分野についての知識も豊富です。
和田先生いわく、それは勉強の仕方がわかっているからだとのこと。
勉強の仕方がわかっているから、
効率よく未知の分野も学ぶことができるんだとか。
勉強の仕方やノウハウ学力が身についていれば、
どんな時代になっても、
うまくやっていくこと(稼いでいくことも含む)が可能なわけですね。
それは、かなりの強みだと思います。
今は、変化が著しい時期です。
今の時代にいいとされたことが、
私の息子(未就学児)が社会にでて10年目とかになったころには、
全然違っているかもしれません・・・。
時代に取り残されないためには、
変化にあわせて、柔軟にいろいろ対処できる必要があり、
そのためには、
こうしたノウハウ学力や勉強の仕方を、
学生の時代にきっちり身に着けることが大切なのではないか
と思いました。
もちろん、社会人になってから、
こうしたものを身に着けるということも不可能ではありませんが、
私は、むしろ、「受験」というイベントを通して息子に身につけさせたい
と思っています。
「努力と根性」で受験を乗り切らせることは、
多大かつ無駄な勉強「量」を強いることになり、
他の、息子にとっての貴重な時間(それは10代特有のもの)や
感性を奪うことにもなりかねないと思うからです。
うちの息子には、まだ早い話ですが、
今後、息子にもやってくるだろう「受験」について、
親として、どう向き合うべきか、
いろいろ考えさせられた本でした。
私は、息子を、「努力と根性」ではなく、
「ノウハウ」で乗り切る子に、
育てたいと思います。
なので、
「受験」を、単に志望校に合格すればいいと
とらえるのではなく、
息子が「受験」を通じて「ノウハウ学力」を身に着けられるよう、
サポートしていこうと思います。
今、少子化にもかかわらず、学習塾が盛況です。
親御さんたちは、何となく周りの雰囲気に押される形で、
子供を塾に行かせています。
親御さんとしても、子供が塾に行っていると、
なんとなく安心感があるんですね。
でも、それは本当に安心なのか?
今一度よ~く、考えた方がいいと思います。
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