人は晩年になってどんなことを考えるのか?
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瀬戸内寂聴さんが晩年に書いた本、
「寂聴 97歳の遺言」を読みました。
瀬戸内寂聴さんと言えば、
人気作家かつ天台宗の女性僧侶。
波乱万丈な人生経験に基づき、
様々な悩みを抱えた人々の人生相談にも尽力した人です。
彼女が住職をする寂庵での青空説法は、
あまりに有名でしたね。
昨年、99歳でお亡くなりになった瀬戸内寂聴さんの
遺言ともなる本が、
この「寂聴 97歳の遺言」ということになります。
何故、40代である私が、
97歳の人の、遺言本を
読むことにしたのか?
それは、平均余命をはるかに超え、精一杯生ききった人は、
遠くない将来の死を前に、何を思うのだろうか?
・・・と強い興味を抱いたからです。
自分より50年以上も長く生きている人が、
自分の人生を通じて、
後輩たちに伝えたいこと、
・・・これらを知ることが、
今後の自分の人生を考える上で、大変参考になるのではないか
と思ったのです。
やはり、人生の先輩の意見は、とても貴重です。
私より先にいろいろ経験しているので、
いろいろなことが見えています。
なので、
人生の先輩が、近い将来の死を前に、
「やって後悔している」と述べたことは、
出来る限り、やらない方がいいし、
「やらなかったことを後悔している」と述べたことは、
出来る限り、やった方がいい。
これは間違いない!!
自分の人生を思いっきり生きた寂聴さん。
自分の人生でやって後悔したことは、ただ一つ。
不倫と小説家として生きることを貫くために、
「当時3歳だった娘」を置いて、家を出たことだそうです。
寂聴さん自身は、娘さんを連れて出ていきたかったそうですが、
当時の状況で、どうしてもそれが叶わなかったそう・・・。
後に、娘さんとは和解し、
娘さんは、寂聴さんのことを「お母さん」と呼んでくれているそうですが、
娘を置いて出ていったことは、大変後悔しているとのこと。
自分のことは、育ててないのだから「母親ではない」、
自分には「母親」を名乗る資格が無いと断言しています。
だから、「離婚を考えてる女性」に対しては、
必ず、「子供を連れていけないなら、
離婚はやめておきなさい」とアドバイスをしていたそうです・・・。
経験者の言葉は、刺さりますね・・・。
「遺言」というと、
年寄りの説教みたいな感じをイメージするかもしれませんが、
この本は、違います。
非常に力強い!!
今の若い人たち以上に、若々しく文章が力強い!!
97歳の高齢者が書いたものとは思えない!!
やさしい文章ですが、
読んでいる我々の背中を力強く押してくれます!!
それでいて、読んでいる人に、変なプレッシャーを与えず、
力を抜いて、しかし、精一杯生きていこうと思わせてくれます。
全ての人は、必ず死にます・・・。
「死んだらどうなる?」とか心配しても、今生きている人は、
誰も行ったことがないんだから、わからない・・・。
どうしたって、わからないことを気にしてもしょうがない。
だったら、
死んだ後の世界は、限りなくハッピーだと信じて、
今ある一度きりの自分の人生を、
精一杯、切に生きることに集中しよう!!
この世に役割の無い人などいない!!
「自分なんか(何をやっても駄目だ)・・・」ではなく、
あなたは、この世に二人といない貴重な人間なのだから、
「自分こそは」という気持ちで何でもやってみなさい!!
何事もやってみないとわからない!!
こうした力強いメッセージが、
読んでいる人たちにエネルギーを与えてくれます。
寂聴さんは、自由奔放に生きたように見え、
メンタルもさぞかし強かったんだろうと思われがちですが、
この本を読むと、必ずしもそうではなかったことがわかります。
自殺未遂もされていますしね・・・。
今は、コロナ禍。
みんないろんな不安を抱えて、
メンタルをやられています。
メンタルをやられている人にこそ、
この本を読んでほしい。
私は、今、寂聴さんの本に出会ったことによって、
仏教を学び始めています。
「仏教」は、「今この世の中に生きている人の心を
どうやったら救えるのか」という極めて現実的な教えです
(葬式・法事・墓・祈祷は仏教の本筋ではないと思っています。)。
私は、本来の「仏教」は、「宗教」ではなく、
「哲学」や「心理学」(アドラー心理学のような)なのではないか
と思っています。
「仏教」の教えをかじっていると、
「あ!これ、今よく売れているメンタル本に書かれている内容じゃん!!」
と思うことがいくつもあります。
なので、
私は、「仏教」を学ぶことこそが、
メンタル疾患の予防・治療に役立つのだと思っています。
「仏教」の教えを学ぶとっかかりとして、
寂聴さんの本は、とてもわかりやすいので、
おすすめです!!
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