緊急帝王切開時に体験した「不思議な出来事」
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私は、40歳の時に緊急帝王切開で長男を出産しました。
緊急帝王切開になったのは、
2日間にわたる昼夜を問わない激しい陣痛にもかかわらず、
子宮口が最大7cmまでしか開かなかったからです
(分娩をするには、10cmまで開く必要がある。)。
5分毎に来る激しい陣痛・・・
陣痛測定器が最大限の数値を記録するような陣痛に、丸二日間襲われ、
身も心も本当に限界でした・・・😭。
そうこうしているうちに破水し、お腹の胎児が細菌に感染しないよう、
点滴で抗生物質を投与されることになりました・・・。
早く終わってほしい・・・
5分毎にやってくる強烈な陣痛にもう何も考えることが出来ず、
意識がもうろうとしていました。
いきみ逃しのために、テニスボールを使って尾てい骨のあたりを抑えてもらうのですが、
強烈な陣痛が襲ってきていて、もう女性の力では話になりません・・・。
夫と父が、陣痛が来るたびに、
交代でテニスボールで私の尾てい骨あたりを強く抑えてくれていました。
夫や父も、私の強烈な陣痛に付き合うわけですから、とても大変な状態でした・・・。
そんな状態で、「あともう一日」と病院から言われ、
私の状況を傍でずっと見ていた実母が、
「このままでは娘とお腹の赤ちゃんがが耐えられない!!
何とかして下さい!!」と直談判して、ようやく産婦人科医の診察が実現。
その頃には、胎児が羊水の中で便をしてしまっていました・・・。
医師からは、
「胎児が骨盤を通り抜けられないようです。
羊水が便で濁ってしまっているので、このままだと胎児がぐったりしてしまう・・・。
帝王切開をさせて下さい」と言われました。
医師に呼ばれて説明を受ける時点で、
帝王切開になることは予想できていました。
私は、ぼんやりと母や夫を見まわしました。
そして「(帝王切開をして)いいよね?」と聞きました・・・。
夫は、大きく頷いていました。
母も、「大丈夫よ、帝王切開になる人なんてたくさんいるんだから。」
と言っていました。
私は、 夫や母の言動に励まされる形で、
帝王切開に同意する書面にサインをしました。
お腹を切ることへの恐怖心よりも、
はやくこの苦痛から逃れたい😥という思いで一杯でした。
その後は、バタバタと手術の準備が進んでいきました。
看護師さんたちが、てきぱきと準備をしながらも、とっても明るく振舞っていて、
時折、笑い声がおきます。
私の不安を和らげようとしてくれていたわけです。
予定された帝王切開の場合は、
事前に浣腸をして腸内をきれいにしておくそうですが、
緊急帝王切開の場合はそういうことはありません。
軽く下半身の毛の処理がなされて、
手術室に運ばれました。
手術室では、執刀を行う先生たちが、いろいろジョークを言っていて、
看護師さんや小児科の先生が「ぎゃはははは!!」と笑っていました。
これから本当に手術をするの??って思うぐらい、
和気あいあいとしていました。
そうして、これから始めまーす!!って感じで、
私の脊髄に麻酔薬が打たれました。いわゆる下半身麻酔です。
その上で、執刀を行う先生が、私のお腹部分を触り、
私に「触られている感触はあるか?」と聞いていきました。
麻酔が効いているかの確認です。
私に触られている感触が全くないことを確認して、帝王切開手術が始まりました。
メスで私のお腹を横に裂きます。
しばらくして、メリメリっと、皮膚が引っ張られるような感じがして、
先生が、赤ちゃんを取り出しました!!
くにゃ~ん👶!!
何とも言えない鳴き声がしました。
「デカっ!!」、思わず先生が叫びました。
私のそばに立っていた看護師さんが、
「これだけ(赤ちゃんが)大きいと、(骨盤を)通り抜けられないな~」
とつぶやいていました。
取り上げた赤ちゃんを、小児科の先生が引き取り、いろいろケアをします。
その後、看護師さんが、生まれたばかりの赤ちゃんを私の上に乗せてくれました。
まだよく目が見えず、目をしょぼしょぼしている赤ちゃん。
何故か、涙がどっとあふれてきました。
看護師さんが、私の涙を拭いてくれ、「よく頑張ったね」と言ってくれました。
それで、また涙がどっと溢れました・・・。
そうして、別の看護師さんが、
赤ちゃんを抱いて、手術室の外で待つ夫、父、母のもとに行きました。
それを見届けると、看護師さんが私の顔に吸引マスクをかぶせました。
吸引マスクからは、気体状になった眠り薬が出てきて、
私は瞬時に眠りに落ちていきました。
・・・・・・・・・・・・・・・・、
・・・・・・・・・・・・・・・・、
・・・・・・・・・・・・・・・・、
どれくらいの時間が経ったでしょうか?
暗闇の中、
心電図の規則正しいリズムの音が、「プ、プ、プ、プ」と私の頭の中に、
こだまし続けています・・・。
すると、どこか、遠くの方で、たくさんの人たちの笑い声がしてきました。
ぎゃははははは!!
だはははははは~~!!
~の店ってとってもおいしいらしいよ♪
い~ね、い~ね~♪今度行きたーい♬
~って××だよね~♪
わはははははは~!!
きゃはははははは~。
がははははははは~。
話の詳細はまったくわかりませんでしたが、
あ、何か楽しそう~😍😍😍😍😍♪
と思いました。
そうして、
しばらくすると、吸引マスクで眠り薬を吸っている状態にもかかわらず、
視界が開けはじめ、
それらの楽しげな声の主が、
私の手術を担当してくれている先生や看護師さんたちだということが
わかりました。
先生たちが楽しそうに笑っているのをしばらく聞いていると、
どこからか、「楽しそうだなあ~♪とっても、前向きな感じだよね~♪
この人たちに任せておけば絶対大丈夫よ~」という声(?)が聞こえてきました。
ひょっとすると、声というよりは、私の意識だったのかもしれません。
ハッとしました。
この声が聞こえきてからしばらくして、
看護師さんが私の吸引マスクを外してくれるのが見えました。
それが見えたとたん、ハッとして、目が覚めたのです。
心電図の音は、普通の音に戻っていました。
眠り薬の影響でぼんやりしていましたが、
手術室を出ると、たくさんの病院関係者の人たちが「おめでとうございま~す!!」
声をかけてくださいました。
夫や父、母も安堵しているようでした。
手術中に聞こえてきた「声」が何だったのかは、よくわかりません。
私の声のようでもあり、私の声じゃないようでもありました。
「声」じゃなかったのかもしれません・・・。
後で聞いた話ですが、私の手術は出血多量でわりと危なかったらしいです😱。
心身ともに限界だった私。
私の耳に響いた「声」が、私を救ってくれたような気がしています。
今あらためて思いますが、この時の「声」のことを、
キリスト教・イスラム教・神道の人は、「神の声」と呼び、
仏教の人は、「仏の声」と呼び、
無神論者の人は、「潜在意識の声」と呼ぶのだろうと思います。
この体験をしてから、「神」「仏」「潜在意識」というものが、
間違いなく存在するという確信を持ちました。
「手術の時に、医療関係者の人が冗談を言ったりして、
和気あいあいとした状態を作ると、 手術の成功率が上がるのだ」という話を
某外科医の先生から聞いたことがあります。
科学的なエビデンスは無いけれど、「手術あるある」だそうです。
今回私が体験したことを踏まえると、
その「あるある」は本当にそのとおりだと思っています。
皆さん、手術の時にお医者さんたちが和気あいあいとして笑っていても、
それをもって、直ちに不謹慎だとののしらないようにしましょう!!
出産にあたっては、本当にいろいろ大変なことがありましたが、
何とか、無事出産をすることが出来ました。
帝王切開の技術が無かったら、
私とお腹の赤ちゃんは間違いなく死んでいました・・・。
その意味で、現代に生まれることができた私は、とても幸運だったと思います。
私が出産後に入院中、
胎児の心拍数が急激にドーンと落ちたために緊急帝王切開になった😱方がいました。
幸いその方も赤ちゃんも無事でしたけど、
分娩室に慌てふためいてかけつけた旦那さんの消え入りそうな声は、
今でも忘れられません・・・。
昔は、出産で命を落とす母親はたくさんいました。
死産も多くありました。
今でこそ、
無事に生まれることが当たり前であるかのような風潮になっていますが、
本当は、そうではありません。
私のケースなどに見られるような困難事例がたくさんあるにもかかわらず、
産婦人科の医師や看護師、助産師のたゆまぬ尽力によって、
何とか無事出産にこぎつけられているというのが実情なんだと思います。
たくさんのあぶない橋があり、それを何とかしようと日夜奮闘されているのが、
産婦人科の先生や看護師、助産師の皆さんなのです。
無事に産まれて当たり前じゃありません。
「出産したら遊ぶ時間が無いから」といって、
妊娠中に無理なことをやるのはやめましょう!!
(産婦人科の先生によると、安定期など無いそうです。
コロナ前は、妊娠中に沖縄旅行に行って、
切迫早産で沖縄の病院に担ぎ込まれるといったケースが結構あったようです。
こういうことになってしまうといろいろ大変ですよね・・・。)!!
何が起こるかわからないのが出産です。
悔いを残さないように、「無事の出産のため」に身を処しましょう!!
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